今回は日本人がどこから来たのか?
科学の視点から日本人のルーツを調べてみました。
日本人はアフリカから来た
日本人の先祖はアフリカから来ました。
約20万年前、現生人類はアフリカに出現しました。
これをネグロイドと呼びます。
ネグロイドは北京原人やネアンデルタール人と同時期に存在しています。
つまり我々は北京原人やネアンデルタール人ルートではなくネグロイドが祖先になります。
ネグロイドはアフリカから世界中に散らばることになります。
約5万年前に現生人類はユーラシア大陸進出しました。
ここから様々なルートで分岐していくことになります。
ネグロイド→上洞人(じょうとうじん)→モンゴロイド(東アジア人)
ネグロイド→クロマニョン人→コーガソイド(欧州~中東人)
ネグロイド→縄文人(後の日本人ルート)
日本の歴史は3万8000年
縄文人が日本列島へ進出したのは約3万8000年前(氷河期)とされています。
なぜそんなことが分かるのか?
東北から琉球まで日本全国広範囲に3万8000年前の遺跡が見つかっているからです。
つまり3万8000年前には北海道以外は縄文人が日本全国に散らばっていたことになります。
ちなみに北海道に人が住み始めたのは約2万年前と推定されています。
弥生人は南中国から来た
約5000年前、長江の流域(現在の上海や北京辺り)から
弥生人が海を渡って九州に上陸しました。米はその時に初めて日本に持ち込まれました。
(人骨と米のDNA解析により判明)
現在の稲作文化を持ち込んだのは当時の弥生人ということが分かります。
稲作文化は全国へ広まりましたが、北海道と沖縄へは広まりませんでした。
なぜか?
北海道は寒すぎて米が育たなかったからです。
沖縄はサンゴ礁の影響で砂が多く稲作に向かなかったからです。
日本に争いの文化は無かった
もともと日本には争いの文化が無かったとされています。
縄文人と弥生人はお互い争うことなく物々交換をしていたと考えられています。
縄文人は狩猟民族で山に住み狩りや木の実の栽培(農業)をしており、
弥生人は平地で米を作っていました。
縄文人がたまに平地へ降りて弥生人と物々交換(米と肉、木の実)を通して友好関係を築き、
非常にゆっくり(約3500年かけて)縄文人と弥生人の血が混じっていきました。
ゆっくり混ざるということはつまり侵略が無かったとも言い換えることが出来ます。
(侵略があれば急速に血の交わりが発生したはずです)
DNA解析から過去を知る
人の細胞の中にはミトコンドリアと細胞核があります。
ミトコンドリアのDNAを調べることで母方のルーツをたどる事ができます。
細胞核には染色体があります。
染色体とは22対の常染色体と1対の性染色体(X染色体とY染色体)で構成されています。
性染色体のY染色体のDNAを調べることで父方のルーツをたどる事ができます。
侵略の歴史とY染色体のDNAの関係を調べると
侵略された側の父方のルーツがほぼ侵略した側のものに変わっています。
何が起こったかは容易に想像がつくでしょう。
日本の先住民である縄文人と5000年前に移住してきた弥生人が混ざったのが古墳時代(約1500年前)です。
ここから弥生人が移住してから約3500年は争いが無かったと考えられます。
日本人のY染色体(父方ルーツ)の偏りを調べることで
日本人がどれだけ侵略されたかを推測出来ます。
地域によっても違いますが、
約1/3~1/2が縄文人
約1/3が弥生人
約1/8~1/4が漢人
残りがその他
原住民の縄文人が最も多く、次に移住してきた弥生人。
偏りが見受けられないことから侵略はなかったと考えられます。
アジアでは珍しく平和的に混ざり合ったことが見てとれます。
アイヌは鎌倉時代に日本に来た
北海道を含む日本全国の先住民は縄文人です。
アイヌ人は縄文人とオホーツク人の混血であることがDNA解析で判明しています。
そしてアイヌの人が北海道へ移住してきたのが鎌倉時代とされています。
このことから文化的には分かりませんが生物学的にはアイヌ先住民説は間違いとなります。
アイヌ利権に関しては意見を持ち合わせるほどの見分がないので
私の口からは何とも言えません。
ただし、どういった歴史があるにせよ
今を生きる人を民族や人種を理由に差別や特別扱いをする理由にはならないでしょう。
日本は地理に恵まれた
日本に侵略の文化が無かった理由は地理に恵まれていたからといえるでしょう。
日本は海に囲まれた島国であり、
陸続きの大陸のように隣国からの侵略を受け難い地理にありました。
隣国からの侵略が無かったので自然とのサバイバルに集中でき、
生きていくために助け合うという文化が生まれたのではないでしょうか。
日本人の多くは縄文人のDNAを受け継いでいますが
中国や韓国などを見るとほとんど縄文人のDNAを受け継いでいる人がいません。
しかし、日本から遠く離れたチベットでは
日本人と同じく縄文人のDNAが色濃く受け継がれています。
このことから縄文人はもともとアジア全土に広がったが
他民族の侵略により姿を消していったと予想出来ます。
そして、地理的に侵略を受け難かったという共通点をもつ
日本とチベットが同じDNAを受け継いでいられたと考えることも出来そうです。
日本は海に守られ、チベットは山々に守られた。
仮にこの予想が正しければ、
縄文人は争いを好まず調和を重んじる人種といえるのではないでしょうか。
日本人はそのDNAを色濃く受け継いでいる。
日本人は日本人であることにもっと誇りを持つべきではないでしょうか。
参考文献:
・教科書には無いDNA解析で分かった古代日本人の起源(youtube)
・日本列島に最初に渡来した現生人類とは?
・現代人のゲノムから過去を知る
・北海道の歴史
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